はじめてのペーサー付きレース体験。「トレニックワールド 100mile & 100km in 彩の国」レポート!

部長の榎本です。

5/20(土)-21(日)に行われたトレイルランニングレース「トレニックワールド 100mile & 100km in 彩の国」に参加してきました。

■結果
100kmを超えるロングレースということで、フイナム ランニング クラブ♡のなかでもそれなりの経験と実力を備えた精鋭たちがこのレースにチャレンジ。
しかし、結果は悲喜こもごも。

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バッテンしてる人がDNF、いいねしてる人がフィニッシャー

100kmの部に参加した私榎本(withペーサー山本)は、
76km地点の関門に間に合わず、無念のDNF!

UTMFの完走経験もある100マイラー高橋さんは、
100mileの部に参加したものの、途中で体調を崩してDNF。

そして、走る万引きGメンこと堤さん(withペーサー水越さん)と、
裸足の王子ことプリンス高橋さんは、100kmの部に参加し、見事に完走!
堤さんに至っては女子総合6位という好成績でのフィニッシュでした。


■レース概要
舞台は埼玉県の越生町飯能市などの山間地域。

種目は「100kmの部」「100mileの部」の2つが用意されています。

このレース、今回がまだ第2回目という新しい大会。

2016年に行われた第1回大会は、完走率の異常な低さが話題に。

100kmの部の完走率が23%で、100mileの部の完走率がなんと0%

ゼロですよ、ゼロ。誰も完走できないって、レースとしてどうなのよ!?

って思ってしまうけど、
世の中には完走率の低さに燃える猛者たちが少なからずいて、
「我こそは」と次の大会に集ってしまうのは“トレランレースあるある”のようで。

実際、結果として、今回の完走率は前回よりもアップ。
といっても、100kmの部が完走率56%、100mileの部が完走率9%になった程度で、厳しいレースであることには変わりません。


■ペーサーシステムについて
このレースの特徴のひとつに「ペーサーシステム」があります。

「ペーサー」とは「伴走者」のことで、一定区間ランナーといっしょに走って、ランナーをサポートすることが可能。

このレースでは、100kmの部と100mileの部ともに、後半の50kmにペーサーをつけて走ることができる。

聞くところによると、アメリカではペーサーシステムが採用されているレースは少なくないようだけど。
日本のレースではきわめて稀。
せっかくだから、今回つけて走ってみたいなと。

そんなわけで、山本に
「トレニックの100kmで、おれのペーサーやらない?」
と打診したところ、
「おもしろそうっすね、やりまーす!」
と快諾してくれたので、いっしょに出ることになったという次第。

結果、ペーサー付きで出て大正解。
詳細はまたのちほど。


■レース内容
さて、ここから先は自分の個人的なレース内容について。

当日は朝9時にスタートして、、

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新緑が美しい山々を駆け巡り、、

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諸々端折りますが、夕方6時過ぎに前半50kmをフィニッシュ!

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数々のロングレースを経験してきた自分にとって、もはやたかだか50km

心肺も脚も全然余裕、ダメージはまったくなし(と思ってました、このときは)。

そしてここでペーサー山本と合流。
着替えたり食事をとったり一服したりしてから、いざ後半50kmへ。

あたりはすっかり暗くなったので、ヘッドランプを装着して出発!!

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さてさて、ここから再びがんばるぞ〜〜〜
と意気込んで走り出したところ、なぜか早々に胃がムカムカしてきた。
あれれ? なんかおかしいぞ??

まあ、どうせ気のせいだろうと思いつつ、そのまましばらく進んでいると、、

不意に吐き気をもよおし、さっき食べたものをすべてリバース!!

全然余裕だったつもりだけど、身体は思いのほかダメージを受けていたようだ。
日中30℃近くまで気温が上がったので、暑さにやられたのかもしれない。

そしてここから先は身体が食べ物を一切受け付けず、なにを食べてもすぐに戻してしまう状態に。

これは、やばい。ハセツネのときと同じ症状。あの悪夢が蘇ってくる。

とはいえ、気持ち的にはまだまだ元気だし、脚は十分に残ってる。
ペーサー山本とくだらない話をしながら、ゆっくりではあるものの、一歩一歩着実に前へと進みます。

そうそう、ペーサーと走ることのいちばんのメリットって、
走るペースをリードしてくれるとか、サポートしてくれるとかではなく、
「レース中に話し相手がいる」というところかなぁと。

トレイルランのレース中は基本的にひとりだけど、ペーサーがいれば話ができるし、退屈しない。
山本とは腐れ縁で長い付き合いだし、いまさら特に話すこともないけど(笑)、それでもいっしょに走りながらいろいろな話をした気がする。

あと、夜の真っ暗な山でひとりっきりだと怖いし寂しいけど、ペーサーがいると単純に心強い、というのもあるかな。

ちなみに、ペサ越さんは、堤さんのザックを持ってあげたりハンドライトで足元を照らしてあげたりしたみたいだけど、山本はそういうのは一切なかったな。笑


そして、夜が深くなっていくにつれて、体調はどんどん悪化

さらに追い打ちをかけるようにして猛烈な睡魔が襲ってきた。

山本には申し訳ないと思いつつ、「ちょっと仮眠させて」とそのへんの路上で寝る僕。
そしてしばらくすると「そろそろいきましょう」と叩き起こす山本。

深夜から明け方にかけての時間帯はその繰り返し。
たぶん10回くらい同じようなやりとりをしたと思う。

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寝ても寝ても眠くて、寝入りばなに起こされたときなんかは
「もうちょい寝させろよ!」とイラッとしたこともあったけど(笑)
あまり寝すぎてしまうと制限時間内に完走できなくなってしまうので、まあ仕方ないか。

日が昇って太陽を浴びたら眠気も収まるかな? と期待したけど、
夜が明けても一向に収まる気配なし。

仮眠しては走ってを繰り返しているうちに、スタートから21時間30分が経過した翌朝6時半、
76km地点で無念の関門アウトと相成りました。

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■レースを終えて
胃腸のトラブルや眠気との戦いは今後の課題でもあり、今回はそれらに負けて不本意な結果に終わったけど、
不思議と悔しさはなかったかな。
最後まで諦めることなく、持てる力をすべて出し切った感があるし、
ペーサー付きで走ることは経験として新鮮で楽しかったので。

トレニックワールドという大会については、これまで正直ノーマークだったけど、
実際参加してみて、思いのほか良かったなぁと。
華やかさには欠けるものの、アットホームな雰囲気で運営もスムーズだし、
参加者がそれほど多くないので渋滞のストレスもなし。
また機会があったら、30kmとか50kmとか短い距離のレースに参加してみたいです。


Run for Beer!

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DNFだったとはいえ、20時間以上走り続けたあとの一杯は、さすがに五臓六腑に染み渡りました。